2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

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この男性たちは何歳でしょう。先日ある消費者調査の発表会で、研究者から聴講者にそうしたクイズが出題された。皆の前には5枚の人物写真。20代から60代まで各世代1人だという。簡単そうだが、実は難問だった。顔の部分を隠した、首から下だけの写真だったか…

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・巷には「幸せ」が溢れている。書店には「幸せ」「幸福」の指南本がたくさんある。 ・ウェルビーイング(心身の健康や幸福)という経営用語もしばしば耳にするし、欧米には「CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)」なる役職もあるらしい。 ・しかし、怒りや…

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・若い世代で短歌がブームだ。SNSとの親和性が高いのだと言われている。 ・言葉の刃が飛び交うネット空間と違い、和歌の世界では人を傷つける歌は見当たらない。人の本性は歌道にこそあるのだと信じたい。 若い世代で短歌がブームだという。1987年から始まっ…

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・ 去年の12月のことだ。居住するマンションの管理組合に、警視庁から照会があった。敷地内の防犯カメラの映像を確認したい、というのだ。運用規則によると、管理組合理事会の承認は不要で、理事長の判断で捜査に協力することができる。そういえば自分が理事…

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・映画「ヒトラーのための虐殺会議」が公開中だ。残された議事録をもとに、ナチス・ドイツ高官がユダヤ人絶滅策を練る会議の様子を描く。 ・独裁者の存在は、人の正常な判断力をここまでねじ曲げるのかと思うとクレムリンでも狂気の会議が連日開かれているの…

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気候変動という言葉を頻繁に耳にするようになった。自然の脅威がかつてなく増したように感じるが、昔の災害もなかなかすさまじかった。1951年2月14日から15日にかけ、強風を交えた大雪が日本各地を襲った。「白魔荒れ狂う」。そんな見出しが弊紙で躍った。 …

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・YMO高橋幸宏さんの訃報が届いた。英国のジェフ・ベックも亡くなった。ともにプロが尊敬するプロミュージシャンだった。 先日ミュージシャン、高橋幸宏さんの訃報が届いた。テクノポップの3人組、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)でのドラム演奏や…

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・左手だけでピアノを弾く舘野泉さんは、67歳で右半身不随を患った。左手のピアニストを志したとき、周りは心配したが、世界中で年50回以上の演奏をする活躍は周知のとおりだ。 ・現役引退を表明した車いすテニスの国枝慎吾選手は四大大会とパラリンピックを…

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・時代劇に出てくる「八州廻り」は江戸幕府が1805年に設けた関東取締出役のことだ。関東一円の治安が乱れたため設けられた。 ・いまも関東の治安が心配だ。東京都狛江市の強盗殺人など、各地で相次ぐ強盗・窃盗事件。数人組の犯行で、指示役がいて闇サイトで…

1/22

・コロナの第8波で亡くなる人の9割が70歳以上という。高齢者だから仕方ないという論法が許されてはならない。 ・何百人、何万人とくくられる統計数字の背後に、かけがえのない生と死を想像する力はあるか。 長く記者をしているとカレンダーの眺め方が人とは…

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あなたの新型コロナの医療費は、しめて61万円です。昨年、郵送で届いた医療費明細に目を丸くした。退院時の支払窓口は素通りした。自己負担はゼロと説明されたからだ。いくらかかったのか、気に留めないままだった。 改めて額を知らされるとその大きさに驚く…

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・創刊101年、かつては開高健の「日本人の遊び場」、司馬遼太郎「街道をゆく」、池波正太郎「食卓の情景」など名作を連載した「週刊朝日」が5月末で休刊するという。 開高健の残したルポルタージュのひとつに「日本人の遊び場」がある。作家は高度成長で沸く…

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・中国の大躍進政策は多数の餓死者を出した。その数は3600万人とも4500万人とも言われている。 ・家庭で食卓を囲む伝統を否定し、「公共食堂」なるものを作った。革命的精神で食事も「公有化」した。配給が滞り人々は飢えたのだ。 ・それ以来、61年ぶりに中…

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・チュウジュ(中学受験の略)という言葉が広まっている。 ・中学受験の受験率は2割を超え、バブル期を上回る最多水準だ。 はじめて「チュウジュ」と聞いたとき、何のことか分からなかった。中受=中学受験の略という。冬休み明け、一部の小学校では登校人数…

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・きょう1月17日は、阪神大震災から28年。 ・近代以降の日本で最悪の人的被害をもたらした関東大震災から100年でもある。 「阪神忌」は冬の季語である。阪神大震災が起きた1月17日を指す。3年前の日経歌壇にこんな句が載っていた。「残しある崩れし埠頭阪神…

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・自動車王ヘンリー・フォードは1914年、従業員の日給を2倍にすると宣言した。分厚い中間層が経済成長をけん引するという考え方はフォーディズムと呼ばれる。 ・経営共創基盤グループ会長の冨山和彦さんは、現代にふさわしい新たなフォーディズムを、と説く…

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・小正月の風習は予祝のような性格を持つ。 ・今のニッポンも予祝に頼りたくなるような大きな変化の中にいる。 ・過去の検証やデータに基づいた分析こそが現代の予祝だ。 松の内も過ぎ、鏡開きも終え、きょう15日は「小正月」と呼ばれる。14日から16日を指す…

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・「昔はよかった」と思える時代はいつなのか。 「昔はよかった」。ある年齢を過ぎると、ふとそんなふうに思ってしまうことがある。古きよき時代とはいつのことなのか。米国で行われた調査によると、1930年代と40年代に生まれた人は50年代を、60〜70年代生ま…

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・老朽化や高齢化に悩む団地は多いが、一方で工夫を凝らした再生例も増えている。 ・団地の一室を食堂にしたり、若いクリエーターに部屋を貸しにぎわい作りに協力してもらう。日本人と外国人が住むシェアハウスになった事例もある。人の交流の舞台になってい…

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・ドラマ「孤独のグルメ」で井之頭五郎は、「サンマのなめろう」に遭遇する。 ・サンマの水揚げ量がここ数年著しく減少し、千葉県の銚子漁港では昨年ゼロになった。 ・親潮の流れが変わり群れが南下しにくくなっているのに加え、燃料費高騰やウクライナ危機…

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・ブラジルの建築家オスカー・ニーマイヤーは首都ブラジリアの遷都に大きく関わった。 ・彼が手がけた主要な建築群は「究極の自然」とたたえられる。 ・その首都の中枢が襲撃された。右派の前大統領の支持者らの犯行とされる。 ・首都建設中にはペレを擁する…

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・前ローマ教皇ベネディクト16世と現教皇のフランシスコの対話を描いた映画「2人のローマ教皇」 ・教皇はコンクラーベと呼ばれる選挙で選ばれる。選出までに数日間かかることもある。 ・それを考えれば5日間15回の投票を繰り返した米下院議長選も悪くはない…

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・渋谷駅の大工事 ・渋谷ダンジョンのこの先 紀行作家の宮脇俊三さんは幼少期を渋谷駅のそばで暮らした。はじめは地面を走り踏切もあった山手線が、高架化され立体交差になってゆく。「大工事だよね、線路を持ち上げるのは」。変わり続ける駅への愛着を、旧…

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・クロマグロの初競りは3604万円で、去年の2倍以上の値をつけた。サクランボの高級品種「佐藤錦」も過去最高値である。 ・それでも肥料代、燃料代の高騰で漁師や農家の顔はさえない。 ・何よりも消費者の懐が寂しい。 クロマグロ1匹3604万円。新春恒例の初競…

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・昔と比べて労組はすっかり弱まった。 ・かたや実質賃金は昨年11月と比べて3.8%減。 ・働き方が変わっても労組の役割は大きいはずだ。 石垣りんは銀行に勤めながら、たくさんの詩を書いた。当初の発表の舞台は労働組合の機関誌である。壁新聞の原爆忌の写真…

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・ベビーブーム世代は2年後全員が後期高齢者になる。この頃、同い年は260万人以上いたそうだ。 ・一方、昨年の出生数は80万人。 ・岸田首相は少子化問題を巡り、「異次元の対策」に挑戦すると表明。 きのう複数の新聞に目を引く企業広告が載った。「団塊は最…

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・ドストエフスキー著「賭博者」のカジノのルーレットでゼロに賭け続ける老女 ・ゼロコロナ、実質ゼロ、ゼロゼロ融資 ・午前0時を人類滅亡の瞬間とみなす世界終末時計 「もういちど、zeroだよ!できるだけたくさん賭けるんだ!」。ドストエフスキー著「賭博…

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年末年始は観光客や帰省ラッシュで高速道路や新幹線、空港などは混雑した。 ゴールデンウィーク、お盆と季節の風物詩のように同じ混雑が報じられる。 一方、フランスでは分散休暇が定着していて休暇自体も長いため、夏休みだからと幹線が混雑することは少な…

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・今昔物語のウサギの説話 ・力の行使や誇示による利己的試みの結末は歴史が示す通りだ。 童謡では、木の根につまづいたり、のろまなカメに後れをとったりする今年のえと、ウサギ。しかし、仏教の説話では、ひときわ気高い存在として輝きを放つ。教えの守護…

2023/1/1

・石田波郷の句 ・2022年の世相を示す漢字は「戦」 ・年末に池袋で行われていた生活困窮者の相談会 ・ウクライナを支援する慈善団体に羽毛コートを寄付した記者の知人 人間性に根差した作風で知られる石田波郷に、こんな秀句がある。「かすかにも胸いたみつ…