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お盆が過ぎて、8月も残り少なくなった。気になるのが夏休みの宿題。とりわけ自由研究だろう。毎年夏に恐竜展が開かれ、親子連れでにぎわう。「恐竜の自由研究のコツ」という指南サイトもある。こちらの展示も親子連れで盛況である。都内で開催中の「妖怪展」だ。今年は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるの生誕100年。日本の妖怪は、どのように語り伝えられてきたのか。文化功労者の画業を手がかりに、民俗学の視座も交えて考察する。太平洋戦争で赴いた激戦地、ラバウルに伝わる妖怪の説話も楽しい。哲学者の鶴見俊輔は、水木作品の「白い旗」に注目した。硫黄島の戦記漫画だ。玉砕を命じる士官と、部下に生きて帰れと命じる士官の対立を描く。生き延びた兵士は片方の目を失った。鶴見は、戦争の悲劇を知る隻眼の復員兵こそ、鬼太郎の父親の原型ではないか、と推測した。自由研究で掘り下げてみてはいかがだろう。(382文字)