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新型コロナと保険を巡る興味深いニュースを目にした。一つはスマホ決済PayPayで申し込めた「コロナお見舞い金」の販売停止、もう一つは日本生命保険が入院給付金の上限額を、10万円引き下げるといった内容だ。前者は第7波で感染者が急増し、あれこれ工夫したが保険として成り立たなくなった。後者はより深刻で、不正が疑われる請求が横行したためという。生命保険の起源は中世ヨーロッパのギルド(職業組合)にあるという。職人がお金を出し合い、病気やけがで働けなくなったときに備えた。相互扶助のシステムだったわけだ。日本に保険制度を紹介した福沢諭吉も、「西洋旅案内」でその本質に触れている。人のための掛け金という発想は今日、思い返す価値がある。(312文字)