1/18 図書館は大切なインフラ

「ミヤケンはありますか」「おいしいカニの見分け方が知りたい」。図書館のレファレンスサービスには日々さまざまな質問が持ち込まれる。国公立館などでその一部を公開する「レファレンス共同データベース」で日本の老若男女の疑問の数々を見ることができる。

いわき市いわき総合図書館では郷土料理の「さんまのぽーぽー焼き」について問い合わせが寄せられた。クラゲの水分を使って化粧品を開発することはできるか。かなりつっこんだこの質問は、国立国会図書館支部農林水産省図書館へのものだ。司書がどんな資料を紹介し、回答したかも載っていて、なかなか興味深い。

一昨年の国会図書館による意識調査では「以前ほど図書館に行かなくなる」との回答が3割ほどに上った。とはいえ、自宅近くの公立館をのぞいてみたら、絵本を探す親子や落語のCDを借りる高齢男性の姿があった。住民がいつでも無料で情報にアクセスできる図書館は、社会の変わらない大切なインフラだ。

司書が調べ物を手助けしてくれるレファレンスサービスも、これからもっと使ってみよう。ところで冒頭のミヤケンってなに?近畿大学中央図書館の司書が聞き返すと「宮沢賢治」との答え。学生の一人だろうか、司書に「銀河鉄道の夜」などの本を教えられ、「ミヤケンあった」とうれしそうに帰っていったそうだ。