2/15 ROC

ROC」と聞いて、むかし人気のあった紳士服の安売りチェーン「流通卸センター」を思い浮かべる人もいるかもしれない。などという昭和の話はさておき、この略語はいま、五輪ニュースに頻出する「ロシア・オリンピック委員会」。世界が憂える3文字である。

国ぐるみのドーピングが認定され、ロシアは五輪への参加を禁じられてきた。しかし違反歴のない選手は個人資格なら出場可となり、平昌五輪は「ロシアからの五輪選手OAR)」、昨年の東京と今回の北京では「ROC」の名を冠して競技に臨んでいる。なんだかだまされたような展開で、首をかしげたくなる。

それでもこういう制裁のもと、ロシアは不正と決別できる、との期待もあった。なのに疑惑はまたも噴き出している。フィギュアスケート女子、カミラ・ワリエワ選手の検体から禁止薬物が検出された問題だ。大騒ぎのなかで、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、きょうから始まる個人戦の出場は認める裁定を下した。

ワリエワ選手がまだ15歳で「要保護者」にあたることなどが、出場容認の理由らしい。シロかどうかは別にして試合には出られます、とは不思議な話だが、この手のご都合主義がまかり通っているのが昨今の五輪でもあるようだ。その元締の「IOC」なる3文字を昭和風に読み解けば、「いろいろ・おかしな・茶番ばかり」?