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日本には約2000の法律があり、なかにはとんでもなく長い名が存在する。「日本国とアメリカ合衆国の間の相互協力及び(中略)道路運送法等の特例に関する法律」。途中をはしょったが、全部で110字。在日米軍の車両の扱いを定めた内容だという。

参議院法制局のサイトのコラムでこんな説明を見つけた。「法律が対象にしてもいないことを対象とするかのように書くことはできませんから、いきおい色んな言葉が増えてくると思われます」。国の根幹を決めるルールゆえ正確、具体的に。寿限無のごとき長さの是非はさておき、その理屈は分からぬでもない。

おとといの国会で正式に決まった「調査研究広報滞在費」はどうだろう。くだんの法律には及ばずとも簡潔とは言い難い。では対象が具体的か、というとこちらも首をかしげてしまう。目的に挙げた「国政に関する調査研究」「国民との交流」とは何を指すのか。そもそも使途が公表されなければチェックしようがない。

名詮自性という言葉がある。仏教用語が由来で、名がそのものの本質を示すという意味だ。簡単に言い換えれば、名は体を表す。法律も制度も実態にぴったりあったネーミングが望ましい。いらぬ誤解を生む心配もなくなる。さしずめ携帯の料金プランから拝借して「使いホーダイ」はどうだろう。字数も少し減る。