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日野自動車は「日野の一家主義」という社風を掲げ、上下がフランクに意思疎通し、研究熱心で全社員一丸になることを理想としていた。明るみに出たエンジン不正問題では、上層部の意向を絶対視する体質や部門間の連携不足が指摘される。理想との隔たりはなぜ生じたか。嘘に嘘を重ね、自浄作用が働かぬ会社の病状はかなり重そうだ。ひょっとしたら日本企業にまん延する病魔かもしれない。組織を土台から建て替え、ものづくりの企業として誇りを取り戻す。そんな再生を期待したい。(222文字)