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早くから際立った能力を見せる子どもたちのことを「ギフテッド」と呼ぶ。囲碁界に現れた新星は先週、目標に「世界一」を掲げた。大阪の小3、藤田怜央君は史上最年少の9歳4ヶ月でプロ入りする。こうしたずぬけた才能を、横並び色の強い公教育の場でどう導くか。ギフテッド支援策を検討してきた政府の会議は先日、高度な遠隔授業を別室で行う、大学と連携するといった案を示した。他方で競争過熱や差別を懸念し、知能指数での「選抜」には慎重だ。人間関係に難しさを抱える子もいて、まだ手探りが続く。若き異才には見る者をどこか引きつける力がある。人間の可能性の奥深さを感じさせるからだろうか。長く型にはまった日本の学校教育は、出る杭をたびたび打ちつけてきた。存分に応援する仕組みをつくりたい。(330文字)