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全国の小学5年、中学2年生へのスポーツ庁の調査では、運動が嫌いな理由の上位に「体育の授業でうまくできない」が上がる。運動への苦手意識は学校の体育の授業にも関わりがあるかもしれない。京都教育大学名誉教授の井谷恵子さんは「スポーツが上手になること」が体育の目的だと思い込まされていると指摘する。たとえば水泳の授業では正しいフォームやタイムが評価のポイントになる。そこでは「命を守るために浮き、泳ぐことを学ぶ視点が欠けている」と井谷さん。いまの体育は競争的なスポーツがカリキュラムの中心だが、本来「身体や動き」を育て「運動に親しむ」ための教科であるという(雑誌「エトセトラ」VOL6)。他人と比べず、ただ自分の身体と向き合うのも運動の楽しさだろう。パリ五輪ではブレイクダンスが新競技になる。若い世代の感性も取り入れて運動嫌いが減るといい。(366文字)