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最近「価格改定のお知らせ」を街のいたるところで見かけるようになった。値上げの秋たけなわである。日銀が発表した8月の企業物価指数は、前年同月比9.0%の上昇だった。原材料の値上がりにもう一段の円安で、消費者物価への波及がさらに進みそうである。値上げを伝える店もため息、懐がいよいよ寂しい客もため息で世の中が縮む。政治はさて、どんな手を打つのかと思っていたら住民税非課税世帯への5万円給付が目玉だという。困ったときのバラマキは見慣れた光景であるが、これまた疑問の多いその場しのぎの仕事ではないか。そのうち、値上げのお知らせに「政府の対策に苦境打開の効果なく」と書き添えた怒り心頭型が現れるかもしれない。(299文字)