12/20 W杯閉幕

ほぼひと月、世界を酔わせる熱き戦いが繰り広げられたサッカーW杯。アルゼンチンvsフランスの決勝は、両チームのエースが期待を裏切らない技巧を競い、歴史的な激闘の末、幕を閉じた。寝不足からは解放されそうだが、「W杯ロス」にしばし悩む方もおられよう。

南回帰線が通る優勝国アルゼンチンでは、折から22日の冬至まぢかで、降り注ぐ夏の陽光の下、青と白の縦じまのユニホーム姿の人々が3度目の栄冠に喜びを爆発させた。その南米の太平洋東側の赤道域で海面水温が低くなるラニーニャ現象が背景か、北半球の日本では寒気が入り日本海側を中心に大雪に見舞われている。

冬至冬なか冬はじめ」と言われる。1年のお日さまの変化で見れば、この時期あたりを境に昼は徐々に長くなり、光もじわじわ強まる。つまり「冬なか」。一方、気温は1月下旬の大寒のころを底に厳しくなる。こちらは「冬はじめ」というわけだ。再生を期す遠からぬ春に向け、少しずつ力を蓄える始点でもあろうか。

ちなみに、次回のW杯はカナダ、米国、メキシコの共催で、2026年の6月から約1ヶ月の日程だ。ちょうど夏至をはさむ。かのアルゼンチンの市民らと同様に、さんさんと輝く日を浴び、歓喜の声を上げたいものだ。次のひのき舞台を目指す選手や予備軍も寒風の中を駆け、ボールを蹴りはじめているに違いない。