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・チュウジュ(中学受験の略)という言葉が広まっている。

・中学受験の受験率は2割を超え、バブル期を上回る最多水準だ。

 

はじめて「チュウジュ」と聞いたとき、何のことか分からなかった。中受=中学受験の略という。冬休み明け、一部の小学校では登校人数ががくんと落ちている。受験の追い込みで休む子も珍しくないからだ。歯抜け模様の教室で教壇に立つ先生は少々気の毒に思える。

菅原道真公をまつった東京・湯島天神では、こんもりと積み上がった絵馬の山がいくつもできていた。人様の願いを覗くことにいささか後ろめたさを覚えつつ眺めると、おさない字で「〇〇中に受かりますように」と中学合格の祈願が目白押しだ。何百人分もの志望校と氏名を満載した巨大絵馬も奉納されていた。

少子化と裏腹に受験熱は高まり続けている。首都圏模試センターによると、昨春首都圏で中学受験をした子供は公立の中高一貫校も含めて6万2千人余りに達する。受験率は2割を超す。リーマン・ショック東日本大震災後に減ったが再び増え、いまやバブル期を上回る最多水準だ。塾に通い始める年齢も早まっている。

よりよい環境をと願うのは自然だ。他方で過熱や格差が心配にもなる。教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、結果は「一瞬の状態を写した一枚の写真にすぎない」(「勇者たちの中学受験」)という。まだ小学生、中受の先にも嬉し涙や悔し涙がいくらでもある。学問の神様はのんびり頑張る子も必ず見ている。