2/20 シャンシャン最後の観覧日

・先週の日曜日、パンダのシャンシャンが最後の観覧日だった。両親のふるさと中国に旅立つ。

・パンダほど人から愛される動物も珍しい。

・カンカン、ランランも来日から半世紀の間、常に人々の関心を集め、「パンダ外交」などといわれた。

・パンダは「社会の心を映し出す鏡」と言われる。かの地では何を映すだろうか。

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日曜日の上野動物園はいつにも増してにぎわっていた。ジャイアントパンダ、シャンシャン最後の観覧日。事前抽選は最大70倍とか。「ありがとう&いってらっしゃい」。メッセージボードの前で女の子が涙をぬぐっていた。明日、両親のふるさと中国に向けて旅立つ。

これほど愛される動物も珍しい。その理由をイギリスの動物学者、モリス夫妻が「パンダ」(中央公論社)の中で20項目ほど挙げている。顔立ちが平板である。目が大きく見える。まっすぐ座れる。ぶきっちょである。珍しさだけでなく人間、特に子どもによく似た容貌やしぐさに、人は心を奪われるらしい。

カンカン、ランラン来日から半世紀の間、常に人々の関心を集めてきた。「パンダ外交」といわれるように政治的使命を負わされ、日中関係が緊迫すると動物園にも抗議の電話がかかってきたという。シャンシャンの誕生は2017年。SNS時代の格好のコンテンツとしてネット世界でも人気者になった。

パンダ自身はあずかり知らぬ話だろうが、最近は自然保護のシンボルとしての役割が増している。解剖学者の遠藤秀紀さんは、人間との関わりが深いこの生き物を「社会の心を映し出す鏡」(「パンダが来た道」解説)といった。さて、これから暮らすかの地では何を映すのだろうか。何はともあれ、いつまでもお達者で。