4/27 宇宙旅行の夢

「みなさんは、宇宙に行きたいですか?」。今年発売になったばかりの児童書「はじめての宇宙旅行ガイド」第2巻はこんな問いかけから始まる。行きたい人も、迷っている人も手引書として活用してほしい。同書のメッセージは、急速に進む宇宙開発のいまを映す。

月に持っていくべきなのは、うがいが要らない歯磨き粉と酔い止め薬など。月面ではジャンプしながら前に進むと速く、ボールは地球で投げるときより6倍は遠くへ飛ぶ。行きは興奮してじっくり見られなかった地球を、帰りは眺める余裕が出るだろう。子ども向けの本ではあるが、大人が読んでもわくわくする内容だ。

月面着陸の成功まで、あと少しのところだった。宇宙スタートアップispace(アイスペース)の無人着陸船からの通信が、月に降り立つ直前で途絶えた。だが未完の計画は新たな挑戦のスタート地点でもある。「次のミッションに向けた大きな一歩だと考えている」。アイスペースの代表はそう言って前を向いた。

ブラックホールの研究で知られ、科学の面白さを一般の人にも広く伝えたホーキング博士がこんな言葉を残している。「足元を見下ろすのではなく、星を見上げよう。大切なのは諦めないことだ」。宇宙の旅が身近になる日はきっとすぐそこだ。子どものように強い好奇心とチャレンジ精神が道を切り開く。