5/2 LGBTをめぐるドタバタ

そろそろお客さんたちのくる時分だ。気を使う相手だ。ところが家の中は散らかり放題。万年床に下着なパジャマも…。といった場面が昭和のギャグ漫画なんぞによくあった。そういうときは何でもかんでも押し入れに詰め込み、すました顔で「ようこそ!」。

そんなシチュエーションを思い浮かべてしまうのが、性的少数者LGBT)らへの理解増進法案をめぐる自民党のドタバタだ。今月19日から広島市で主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)が開かれる。それまでに、他のG7の国々と同様の法整備をーーという動きと反対論がぶつかり合い、収拾がつかなくなっているのだ。

法案は2年前に超党派議員連盟がまとめたが、国会提出は棚上げされてきた。自民党はそれからずっと議論をサボってきたのに、さあ来客となって大騒ぎなのだ。反対派は「性自認を理由とした差別は許されない」の文言などに抵抗しており、表現をぼかす案なども浮上しているという。お体裁ばかりの多様性尊重である。

いまや世界では、同性婚を認める流れが加速している。その手前の「理解増進」でこの混乱とは情けない話だ。そもそも選択的夫婦別姓でさえ、四半世紀あまり進展しないニッポンなのだ。不都合なあれこれを押し入れに隠したとしても、褒めてもらえるかどうか。うるさ型の面々は内情をとうにご承知かもしれない。