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新型コロナウイルスの直撃を受け、昨年夏に1年遅れ開催にこぎつけた東京オリンピック。あの祭典は汚れたカネまみれだった疑いが一段と強まっている。前回の東京大会が開かれた高度成長の時代は遠く、衰えの目立つニッポンを象徴するような事件である。組織委員会の高橋治之元理事サイドにはAOKIホールディングスだけでなく、出版大手のKADOKAWAや広告大手の大広からも不透明な資金が流れていたという。ライセンス商品の取り扱いやスポンサー契約が、巨大イベントの影でうごめく者たちに左右されていた構図が浮かぶ。五輪もいまや、ここまで落ちたのか。世間には冷めた反応が少なくない。やっぱりといった声も聞く。しかし、こうなったら組織委の罪を徹底的にあぶり出し、五輪の改革を本気で進めなければならないだろう。(341文字)