6/1 自然の脅威と人為災害

きょうは気象記念日だそうだ。1875年(明治8年)6月1日、気象庁の前身にあたる東京気象台が業務を開始したことに由来する。英国で調達した機器類を備え、当初はお雇い外国人技師が1人で観測した、と気象庁のサイトにある。

日本初の天気予報は9年後の同じ日だった。「全国一般風ノ向キハ定リナシ天気ハ変リ易シ但シ雨天勝チ」。一文で日本中をカバーするのは驚きだが、内容もずいぶん大ざっぱだ。役に立ったのかどうか。もっとも当時は新聞に掲載されることもなく、交番に張り出す程度。人々が情報に接する機会は限られていたようだ。

1世紀以上経て、予報の精度は比較にならぬほど高まった。そのために欠かせないのが気象衛星のデータだ。現在はひまわり9号。5月下旬からは、甚大な被害をもたらす線状降水帯の発生を最大30分早く発表する運用が始まった。いずれ2~3時間前を目指すという。これもはるか上空から見守る目があってこそできる。

同じ衛星ながら物騒なものもある。北朝鮮の企ては失敗に終わったが、朝のいっとき、沖縄県で警報が鳴った。接近する台風に身構えるさなかである。住民の不安を思えばただただ腹立たしい。かの国は再発射を予告する。自然の脅威は正確に予測し、用心するしかない。でも、人為なら食い止める手があるのではないか。