2021-01-01から1年間の記事一覧
「この紋所が目に入らぬか」。世直しの旅のあちこちで、悪人たちの所業をしかと見届ける黄門さまと助さん格さん。最後の最後に、葵(あおい)の御門の印籠を突きつけるシーンが待っている。ワンパターンとは知りつつも、あの胸のすくドラマに拍手を送った人…
東京女子大の1年生が、自信に満ちあふれた東大の男子学生に恋をした。その思いが一気に冷める瞬間を柴田翔の小説「されど われらが日々ーー」は描く。舞台は1955年。まだ学生の左翼運動が活発だった頃で、2人はそうした研究サークルの一つで出会った。 政治…
双六(すごろく)には昔懐かしい子どもの遊びのイメージがあるが、かつては賭博に使われることも多かった。起源の一つとされるのが古代インド。欧州に伝わると社会に浸透し、バックギャモンと呼ばれるようになった。日本には中国などを経て、6世紀ごろ渡って…
高峰秀子は学校にほとんど通えない少女時代を過ごした。のちに昭和を代表する女優となるこの人が、松竹蒲田の子役としてデビューしたのが5歳のときだ。昼夜をおかず働かされ、義母や親族らを養っていたという。周囲は撮影所の、世間ずれした大人ばかりである…