2/22 ホセ・アンドレスさんの使命

・スペイン出身のスター料理人、ホセ・アンドレスさんはハイチの大地震をきっかけに被災地などで料理を配る活動をするワールド・セントラル・キッチンを創設した。

・トルコ・シリア地震でも、大鍋でトルコの伝統スープを作る姿がツイッターにあがっていた。

・「料理を空腹の人に配る。それだけで変化を起こす」と語るその笑顔はまぶしく映る。

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「誰でも自分の使命を自覚する瞬間がある」。スペイン出身のスター料理人、ホセ・アンドレスさんにとってそれは2010年冬。カリブ海でバカンス中に近隣のハイチで大地震が発生。役に立ちたいと被災地に入り、シェルターの片すみで豆のシチューを作り始めた。

テレビ番組も持つ一流シェフだ。ところが地元の女性は手際よく作業するホセさんに「正しい」やり方を教えた。ドロドロの煮込みにはっとした。救世主気取りはだめ。真の支援とは人々が食べたいと思う、慣れ親しんだ味を届けること。被災地などで活動する組織ワールド・セントラル・キッチン(WCK)を創設した。

6日に起きたトルコ・シリア地震では、急ごしらえした8つのキッチン、40のレストランやフードトラックを通じ、300万食を協力者とともに調理し、配布した。直前までウクライナ避難民を支援していた女性シェフもいる。ポーランドから車で駆けつけ、大鍋でトルコの伝統スープを作る姿がツイッターにあがっていた。

現地の路上で屋台を引く人にも声をかける。人材を巻き込み、食材などもできるかぎりその地で調達する。それが復興や自立につながると信じるからだ。「料理して空腹の人に配る。それだけで変化を起こす」。22年の記録映画「国境なき厨房」で見せる笑顔がまぶしく映る。分断ばかり深まる、こころ寒い時代だからか。