4/22 短大というカルチャー

短大は戦後という時代の落とし子である。1949年、新制大学がスタートするときに旧制の専門学校などの多くが四年制転換の条件を満たせなかった。しかし、戦前の制度をそのまま残すわけにもいかない。そこで当時の専門家が頭をひねり、暫定措置を講じたのだ。

「大学の修業年限は、当分の間、2年または3年とすることができる」「前項の大学は、短期大学と称する」。学校教育法にこんな条文を付け加え、エイヤッと149校を認めたのだった。それが高度成長期にかけて女子の進学先として重宝がられ、存在感を増していく。64年には法律の文言から「当分の間」が削られた。

世の中は大きく変わり、最盛期に598校あった短大はいま半減している。有名校が次々と姿を消し、こんどは上智大短大部の募集停止が伝えられた。思えば、昭和的な性別役割分担の意識に根ざした「短大」というカルチャーがすたれたのかもしれない。バブルのころよく聞いた「花の短大生」なる言葉も思い出す。

減少はなお続きそうだ。大学のサバイバル競争が激しくなるなかで、短大の立場はいよいよ厳しい。とはいえ、かつての「当分の間」を恒久化し、なお全国に300校以上ある「教育機関」だ。その伝統とパワーは侮れないし、ニーズがなくなると考えるのも早計だろう。地域に密着したこの受け皿を、捨て去るのは惜しい。