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訪日客が多少戻っていると聞き、夜の浅草寺に寄ってみた。仲見世通りが閉まった後も、月光を浴びる雷門を外国人が次々とくぐってゆく。イタリアからという2人組に記念撮影を頼まれた。「確かに日本の渡航制限は厳しかったけど、国ごとに事情はある」と話していた。

石橋を叩きに叩いてそろりと渡る。そんな印象だった水際対策の緩和が今週一気に進んだ。入国者数の上限をなくし、個人旅行を解禁。米韓をはじめビザも不要になった。やっと新型コロナ前に近づいた形だ。ゼロコロナ政策の中国との往来回復はまだとはいえ、円安も背景にインバウンドに強い追い風が吹こう。

長い令和の鎖国には不評が多かった。日本の方が感染者数が多くても頑なに規制を続け、書類のわずかな書き損じだけでも入国を拒む。夏にヨーロッパから一時帰国した知人は硬直的な対応に「外国に住む人を汚れたもののごとく扱っている。日本に来てほしくないのか」と憤っていた。これからのおもてなしで挽回したい。

思えばこの3年、日本のコロナ対策は後手続きだった。第7波の後、次がいつ来てもおかしくない。今度こそ先手の議論で備えたい。まず再確認したいのは「マスクを外してもいいタイミング」だろうか。浅草寺ではマスク姿の外国人も目立った。お客さんに気を使わせる前に、ホスト側でルールを改めて共有しておこう。