11/1 海外交流の魅力

「ただいま」「おかえり〜」。那覇の町が喜びの声であふれた。世界各地の沖縄出身者やその子孫を迎えて親睦を深める「第7回世界のウチナーンチュ大会」がきのう開幕。北米や南米、東南アジアなど21の国・地域からおよそ8500人がセレモニーに参加したのだ。

「コロナで長いこと会えなかったから、うれしい」。ハワイ出身の日系2世の父親をもつ知人はいとこ3人、夫の親戚でアルゼンチンに暮らす5人と再会できたと話してくれた。およそ10人に1人が移民になった沖縄。海外に親類や知人がいる県民は少なくない。パンデミックで絶えた往来の復活を人一倍待ち望んでいた。

なにも沖縄にかぎらない。コロナ下の水際対策が緩和され、町のにぎわいを実感している人は多いのではないか。東京都内の観光地も、先日出張で訪れた京都でも外国人観光客が目にみえて増えていた。あこがれの国への旅や夢だった留学もようやく果たせる。がまんの時間が長かっただけに、喜びもひとしおに違いない。

29日、韓国ソウルの繁華街で大きな群集事故が起きた。地元の若者や日本人を含む観光客が多数、犠牲になり、あまりの痛ましさに言葉もない。コロナ明けのパーティーや久しぶりの韓国訪問を楽しむはずだった彼らは、なぜ「おかえり」と迎えられなかったのか。原因をしっかり調査し教訓を生かさなければならない。